2011年12月30日金曜日

【CG】日本の映像会社に物申す!お礼とお返事(第1回)

前回エントリに多数のコメントを頂きありがとうございます。投稿に対して、もっと誹謗中傷されるのでは?っと覚悟していたのですが。。。。ほとんどの方がこのブログに対して、まじめにコメントを寄せて頂いて、僕自身、非常に参考になる部分が多くありました。
僕自身、色々と考えさせられる部分があり、コメントに対するお返事遅くなってしまいましたが、この場をかりてコメントへのお返事をさせて頂ければ思います。

まず、前回のエントリでは日本の映像プロダクション、会社の方々に対して不適切な表現があった非礼をお詫び申し上げます。
また、コメントを寄せて頂いた皆様、ありがとうございます。僕自身、今後のために参考になる部分が多くありました。特に匿名ではありますが、おそらく僕よりも遥かに長く海外で働いている方からのコメントだと思われますが、いくつか感銘を受けたコメントもありました。

特に匿名(書出し:日本国外で働いている者です。)さんからのコメントは今の僕の現状を的確に指摘されていると思います。

以下引用
日本国外で働いている者です。

日本のCG業界に海外のスタイルを吸収させたいという熱意は伝わるのですが、海外と日本の違いや優劣を語るには、それなりの責任を背負う覚悟が必要だと思います。

筆者様の場合、まだ海外の企業で人を指導する立場に居られるわけではなさそうですが、その状況下で集められる情報は、海外で働いている友達などから採集できる程度のものです。

[日本と海外のパイプラインの違いについて]の話などはその典型で、1ヶ月働いてしまえば誰でも理解できることだと思います。私の経験上、この手の話をするのは職場を頻繁に変えている(変えざるを得ない)方で、いわば会社のコアメンバーではない人間がほとんどです。

本当に日本の業界を動かしたいという事であれば、本人が必死で学び、海外企業内で自身が指導、何かを生み出せる立場に成長してはじめて何かを日本に還元できるのではないかと思います。
海外のパイプラインに単純にのっとって、スーパーバイザーやリードから指示をうけて作業している人間が日本企業に何か還元できることは、あまり中身のない情報と個人スキルだけです。

私達が日ごろ使っているシェーダーを使える人はたくさんいますが、作れる人はあまりいませんよね? 筆者様が日頃、日本のCGアーティストに与えている情報は、現状日本に存在しないシェーダーの使い方であって、そのシェーダーの作り方ではありません。

使う人がいても、作る人がいないので結果、状況が動くことはありません。

前述にも申し上げましたが、誰かに情報を与えるには、本当の意味での知識、経験、覚悟が必要です。特に今回のようなナーバスな問題は相当に熟練された方でないと、ブログに乗せてしまうのはどうかとおもいます。日頃思っていることを脈絡なく書くブログならまだしも、日本の業界を変えたいなどと申し上げておられる以上、記事が少し浅はかではないでしょうか。

本当に日本の業界を動かしたいのであれば、現状誰かに構っている暇はないかと思います。私自身、今置かれている環境でどうやって自分が成長していくかで頭がいっぱいです。

タイトルにもある武者修行を優先し、自身が十分に成長されたうえで、発言されてはいかがでしょうか。


上記のコメントを書かれた方のおっしゃられる通り、僕自身は現状、他人を指導する立場に無く、熱意だけで行動し、中身が伴っていないのは私自身も十二分に承知しているつもりです。

匿名(日本国外で働いている者です。)さんがおっしゃられるように、僕自身が伝える情報、技術、それは大して中身のない情報、技術なのかも知れません。それでも、僕自身は今の自分でも、日本業界のために何かしら還元できることはあると考えています。
(現状では、僕が海外で経験した出来事や、情報、技術をセミナーやブログで伝える程度の事しか出来ないかもしれませんが。。。。)

>前述にも申し上げましたが、誰かに情報を与えるには、本当の意味での知識、経験、覚悟が必要です。

私自身は自分自身の言動に責任を持つために、このブログを開設したときに本名(経歴なども含め)で、情報を伝えることにしました。経験という部分ではまだまだ未熟ですが、自分自身、それなりの責任と覚悟を持って、情報提供しているつもりです。表現的に適切ではない表現も多々ありますが、その辺りは、今後、改善していくことが出来ればと思っています。

>特に今回のようなナーバスな問題は相当に熟練された方でないと、ブログに乗せてしまうのはどうかとおもいます。

この部分に関しましては、ナーバスな問題であるからこそ、問題提示する必要があると僕自身は考えています。この問題を解決するには長い時間と熟練された経験が必要かもしれません。だからこそ、出来るだけ早く問題を提示し、出来るだけ早くこの問題が解決できれば、また僕自身も尽力できればと思っています。僕のような若輩者が問題提示をするには、時期少々だったかも知れませんが、出来るだけ早く解決できればという思いからです。ご理解頂ければ幸いです。

>本当に日本の業界を動かしたいのであれば、現状誰かに構っている暇はないかと思います。

おしゃられる通りかもしれませんが、先ほども述べました通り、今の私自信でも、何かしら小さなことでも日本の業界のために還元できることはあると信じています。その中の一つが、日本の映像会社、プロダクションと外国人アーティストの架け橋役です。私自身は一緒に仕事をした技量、気心しれた友人で、なおかつ日本で働きたいという友人しか、紹介していないつもりです。今回の出来事のようにお互いにとって良くない結果になってしまう場合もありましたが、良い結果を生んだケースも存在しました。優秀な外国人アーティストが日本のプロダクションで働くことで、当然デメリットもあると思いますが、メリットも非常に大きいと考えています。僕自身は将来、優秀な外国人アーティストが日本の映像プロダクションで、快く働ける機会を増やすことが出来ればと思っています。

>タイトルにもある武者修行を優先し、自身が十分に成長されたうえで、発言されてはいかがでしょうか。

私自身も、自分の成長、海外での経験が日本の映像業界にプラスになると信じています。もちろん今後も武者修行は優先させえて続けていくつもりですし、エントリ、発言の内容に関しましても熟考した上で行いたいと思います。

今回は僕自身が一番、感銘を受けた匿名(日本国外で働いている者です)さんのコメントを中心にお返事させて頂きました。

その他に本当に貴重なご意見、ご感想ありがとうございました。いまの僕が日本の業界のために還元できることは、ほとんど無いかもしれませんが、自分なりに何かしら還元できるように、これからも武者修行と同様に頑張っていきたいと思います。
本当に貴重なご意見ありがとうございました。

※他の方のコメントへのお返事は次回以降、何度かに分けて、出来るだけ丁寧にお返事させて頂きたいと思います。
いましばらくお時間を頂ければと思います。

2011年12月20日火曜日

【CG】日本の映像会社に物申す!LinkedInのススメ!

今日はちょっと物議を呼びそうな表題ですが、これも日本の映像業界のためと思い物申したい!!!

僕は将来的には日本に戻って海外の技術を日本に持ち帰りたい。
日本でもハイレベルなCGを作りたい。日本の映像業界の労働環境を良くしたい!っと常々ブログを通じて発信してきました。

そして、日本で働きたいという外国人は非常に多いです。また日本の映像プロダクションは日本で思っている以上に、海外でも有名です。
僕もそういう意味で日本と海外プロダクションの架け橋になれればと思い、日本で就職したいという外国人に、いくつかの日本のプロダクションを紹介しました。

この時、僕は日本と海外のプロダクションの違いや、労働環境の違いなど、事細かに外国人に説明した上で、日本のいくつかのプロダクションを紹介します。もちろん、相手もそういった違いを理解した上での応募です。

しかし。。。。残念なことに、紹介した多くの外国人の友人からは、怒りのメールが僕の元へ届くことがほとんどです。。。

これは僕にとっても非常に悲しい出来事ですし、今後、こういったことが続けば、優秀な外国人アーティストを日本に招くことは非常に難しくなってくると思います。

怒りの内容の多くが、コントラクト時のオファーの内容です。友人たちが共通して言うのは、敬意の欠如です。
具体的な部分で言えば、例えば前職、職歴を無視したかの様なオファー。
正直、日本で海外と同じ収入を得ることが出来るのアーティストは国内でも一握りのアーティストだけだと思います。
しかし、僕が友人から聞かされるオファーの内容は、日本人の僕ですら、驚くような内容のオファーがほとんどです。。。。

例えばですが、CG歴が10年以上のシニアアーティストが日本の会社に応募したとします。提示されたオファーの内容は、新卒以下(海外大卒の基本給以下)の内容。ひどい場合はランナー以下という人もいました。。。。
僕は聞き間違いでは!?っと耳を疑う内容のオファーです。。。
応募した友人の中にはDDやアメリカ大手プロダクションやAnimal Logic、Wetaで働いた経験を持つ人も居ます。

確かにいくら文化や労働環境の違いはあると言えど、さすがに10年近い経歴を持ちながら提示されたオファーが新卒扱い、ランナー以下だと、僕の友人にしてみれば馬鹿にされたように思うのも無理はないかもしれません。。。

これは僕の勝手な推測なのですが。。。

採用側「う~~ん、この人は、凄い経歴持ってるけど、日本語話せないし、うちの会社のやり方は全く知らないだろうから、契約期間と給料は×ヶ月と×××万円ぐらいかな?」

これは勝手な推測なので、間違ってたらすいません。でも、これってどこかおかしく無いですか???
その会社に無い経験、知識、技術を持っている応募者が、その部分を評価されていない???
むしろ、その会社に無い部分を持っているからこそ、そこが評価されるべきだと思うんです。

日本のプロダクションでは外国人を採用した経験が少ないためか
外国人(日本語が話せない)に対しては、過小評価している部分があるのでは?っと推測しています。

例えば応募してきた外国人が台湾、韓国、シンガポール、インドなどのアジア諸国の出身者であった場合などは、物価の違いから安易に安い金額を提示しているように感じます。

しかし、アジア人でも僕よりも遥かに凄い経歴を持った人はたくさん居ますし、実際にそういった友人も日本の会社に応募しました。。。しかし、提示されたオファーは。。。。(^^;
これも僕の推測なのですが、日本のプロダクションは応募してきた外国人に対して、裏取り、経歴の確認などが不足しているのでは?っと勝手に推測しています。

そこで、僕は日本のプロダクションで特に人材採用をする立場にある人にはLinkedInのアカウントを持つべきだと思います。
LinkedInというのはビジネスに特化したSNSで、海外で活動するデジタルアーティストは、ほとんどがLinkedInのアカウントを保持しています。このSNSを利用して、人材募集の情報を得たり、ネットワークを利用した就職活動を行います。

また採用する側も、LinkedInを使って、応募者の裏取りを行う例も少なくありません。例えば、応募者の中に目ぼしい人を見つけた場合。

1.LinkeInを使いリクルーターは自分のコネクションで応募者と一緒に仕事をしたことがある友人を探します。

2.応募者と一緒に仕事をしたことがある友人に、応募者の技量、知識、人柄などを尋ねます。

3.裏取りがとれ、優秀な人材だと判断されれば、インタビューへと発展します。

また、自分のコネクションに友人が居なくとも、アカウントを持っていれば、応募者がどういった職歴の持ち主か?どういった仕事をしてきたのか?ということを調べることが出来ます。

日本では、転職の際には、多くの人が前職の給料を聞かれ、ある程度、前職を考慮して、新しい会社での給料が評価されます。
これは海外のプロダクションにおいても、当たり前のことです。しかし、僕の友人の多くは、前職の給料や職歴、デモリールのブレイクダウンなどを聞かれることなく、簡単な電話面接の後に一方的にオファーが提示されたようです。

もちろん提示されたオファーというのは会社の規則、基準にのとった内容だと思うのですが、前職の給料とあまりに金額の差がある場合は、日本のプロダクションも応募者に対して、その理由や会社規定にの取ったオファーであると説明する必要があるのかもしれません。

日本の会社の面接と海外の会社のインタビューは、僕の経験の範囲内では全く違った内容です。
(この辺の違いは次回のブログで紹介したいと思います。)

もし、今後グローバルに展開するために、外国人の採用を考えているのであれば、ぜひ人事採用の立場にある人はLinkeInのアカウントを持って頂き、応募者について、どういった経歴を持っていて、どのような仕事をしていたのか調べる努力をしてほしいです。

日本では守秘義務の問題から、アーティストがLinkeInのアカウントを持つことを嫌う会社も多くありません。それは守秘義務の都合上、秘密を守りたい会社の立場になれば、理解することは出来ます。
しかし、採用する側の立場の人間がアカウントを持っていない、応募者の裏取り、経歴が履歴書以外で判断できない。
っというのは、少しきつい言い方かもしれませんが、僕は採用する側の怠慢ではないかと思います。

今回は物議を呼びそうな内容になってしまいましたが、採用する側の立場の方の心の片隅にでも残ればと思い、今回はエントリを書かせて頂きました。
出来ることであれば、今後も優秀な外国人アーティストが日本で働くチャンスを得ることが出来ることを願っています。

2011年12月10日土曜日

【CG】 PRONEWS

皆様、ご無沙汰しています。前回のエントリから、随分と日にちが空いてしまいました。
渡星後、家探し、引越しに大忙しだったので、すっかりとブログ更新が滞ってしまいました。

本日のエントリは、PRONEWSで掲載された、僕のインタビューのご紹介です。

[鍋潤太郎のハリウッドVFX最前線]Vol.17
映画『ハッピーフィート2 踊るペンギンレスキュー隊』サーフェシング・アーティスト北田栄二氏に聞く


インタビューの内容は、いま日本で上映されているHAPPY FEET TWOに関する内容とDr.Dについてです。日本との違いや海外のスタジオについても触れています。

もし、ご興味をお持ちでしたら、ぜひ一読して頂ければと思います。