2010年5月13日木曜日

【その他】 いまさらですが自己紹介 その2

スクウェアに入社したのは26歳の冬、確か2月頃だったと思います。今までは大阪の実家から会社に通っていたので、初めての一人暮らし。
初めてのMaya。以前の会社では3dsMaxを使っていたので、Mayaのことなんて、さっぱりわからず、何もかもがはじめてのことでした。
そんな中、僕がスクウェアで初めて関わったタイトルは”FinalFantasy12”でした。初めてのエンターテイメント作品が、いきなりのメジャータイトル。本当に入社当初は、何もわからず、色々な人に色々な事を教えてもらいました。

はじめの一年は、ただ会社と自宅の行き来のみで、2年目ぐらいからでしょうか、少し気持ちにゆとりが出てきたのは?
それから、3年、4年目と月日を重ねるごとに、心にもゆとりが出来、後輩も入ってきて教えられる立場から教える立場へ。
僕のCGに対する基礎知識、テクニックなどはすべてスクウェアで学んだと言っても過言ではないぐらい、本当に色々な事を色々な人から学びました。
6年間には多くの出会いもありました。そんな中、僕が本気で海外を意識したのは入社して、4年目の終わりぐらいでしょうか?
元々海外思考はあったのですが、仕事に不満があるわけでもなく、好きな仕事でお金がもらえる。それ以上の幸せはなかったんですが。。。。

節目はとあるエンジニアさんとの出会いと、結婚、出産が僕の海外思考に拍車をかけました。
そのエンジニアさんは日本人とフランス人のハーフなんですが、海外での経験の生の話。そして、メジャープロダクションで活躍している友達の話など、日本とはまったく違ったワークスタイル、ライフスタイル。
話のすべてが新鮮で、僕に多くのテクニカルな知識も教えてくれました。その頃からでしょうか、急に海外のプロダクションに興味を持ち、鍋潤太郎さんのセミナーに参加したり、海外プロダクションの友達が増えたり。

そして、僕に更に海外思考に拍車をかけたのが、結婚と出産です。今まで独身だったので、お金も時間もすべてが自分のものでした。好きなだけ仕事して、夜中に帰宅しても、誰も何も言わない。
そんな生活が一変して、妻や子供と一緒に暮らす生活に。すべての中心だった仕事が、家庭に変わった瞬間でした。
今までなんとも思わなかった残業や休日出勤で、家族との時間が持てなくなりつつあり、仕事と家庭の問題で悩み始めました。仕事も納得した仕事がしたい、育児にも参加したい、日々子供成長を見守りたい。そういった思いが日々強くなり、スクウェアでの自分のあり方に疑問を持つようになりました。
(家庭と仕事の間で、僕と同じように悩む人は、この業界には多いと思います。)

仕事自体は楽しかったし、辞める頃にはLead artistとして、ムービーの背景、プロップなどをSupervisorと共に管理させていただけるような立場になっていました。
スクウェアでもっと出世して、家族との時間はそれほど持てないが、安定した生活を望むのか?
夢であった映画制作に関わるという目標のために、スクウェアでの財産をすべて、投げ捨てて海外挑戦するのか?本当に心の底から悩みました。

そもそも就職先も決まっていないのに、英語が話せない僕たち家族が、海外で生活できるのか?
この年齢で仕事辞めて、日本に戻ってきたときに再就職先があるのか?色々な事をシュミレーションして頭を悩ませました。

でも、やっぱり一度しかない人生です。自分に嘘をつくことが出来ず、海外への挑戦を決意しました。まずは鍋潤太郎さんハリウッドCG業界就職の手引きを読み、何からはじめるべきか?海外プロダクションの友人や同じように海外挑戦していた同僚にも相談しました。

それから何社かとコンタクトを取っているうちに、オーストラリアのAnimal Logicから具体的なオファーがきました。電話面接を数回かさね、メールで何度もやり取りをして、最終的に契約書にサインするまで数ヶ月はかかたっと思います。
(英語の喋れない僕が、どう電話面接を切り抜けたかは、また後日の日記で詳細を書きます。)

そして、現在に至るわけですが、今でも自分の決断に後悔はありません。まるでスクウェアに入社したときのような新鮮な気持ち、右も左もわからない不安な気持ち。すべてが新鮮な出来事です。
この歳になって、こんなに心と時めくとは思いませんでした。

今後も海外の会社を中心に働きたいと思っていますが、鍋潤さんの本にもありますが、海外で自分のポジション、地位を確立するのは並大抵の事ではないと思います。
海外進出よりも、海外で働き続ける事の方が、より困難だと実感しています。
今後も海外で働いていけるように、皆さんに海外の生の情報が提供できるように、日々精進していければと思います。

最後に、僕の海外転職を心から応援してくれた家族に感謝しています。海外転職は家族の協力なしにはありえませんでした。皆さんの中でも、既婚者、子供もちでも海外転職を考えている人は多いかと思います。決しては不可能ではありません。諦めずに頑張ってください。

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